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差別 戦争 映画

ドキュメンタリー映画『ナディアの誓い/On Her Shoulders/アレクサンドリア・ボンバッハ監督』

ナーディーヤ・ムラド

ドキュメンタリー映画『ナディアの誓い/On Her Shoulders』アレクサンドリア・ボンバッハ監督/2018/アメリカ

2018年ノーベル平和賞受賞により世界中にその存在が知れ渡ったナディア(ナーディーヤ)・ムラド(Nadia Murad Basee Taha)氏。映画は、ドイツに逃亡してから、国連親善大使として国連で演説するまでの、人権活動家として、スピーチ、インタビュー、難民との交流などで各国を回る活動の様子を中心に描く。国連での演説に至るまでには、いかに多くの(各国の議会・団体など)の協力を得た上での作業の積み重ねなのか、その道のりの長さが伺える。常人であれば誰でも避けてしまうような、また専門家にも避けることを奨められるような、極度のPTSDの連続の中、自らの体験とその実情を、日々世界に訴える。自らを「一人の村娘」と称する彼女が、ストレスと葛藤、そして殺されるかもしれない恐怖と闘うのは、同胞ヤズィーディー教徒や総ての被害者のためだ。平和賞授賞式では見られなかった彼女の笑顔が映画では映し出され、安心と哀しさが去来する。

画像は映画公式サイトから拝借