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ミュージシャン 音楽

歌手 トミ藤山 “Tomi Sings Jazz”

Tomi Sings Jazz

トミ藤山:幼少から天才歌手として活躍、そのキャリアは80年にも及ぶ。「アルプスの少女ハイジ」のヨーデルの部分を担当、カントリー歌手の登竜門・米ナッシュビルのラジオ番組「グランド・オール・オプリ」への出演、進駐軍に派遣され戦禍のベトナムに慰問公演に向かったこと……話し出すと3〜4時間は平気で語る。そんな輝かしい芸歴を持つトミさんもジャズとの接点はなかった。いまから40年程前、80年代にジャズを歌いたいしギターで伴奏できるようになりたいと言って私の処を訪ねてきた。互いに悪戦苦闘の末”Summertime”と”Georgia on my mind”などをジャズコードを弾きながら歌う域に達した。これもお見事だった。その後、米国で現地カントリー&ウェスタンのミュージシャン等とレコーディングしたり、米人監督によるドキュメンタリー映画を撮ったりとかはしたが、ジャズアルバムのレコーディングは無かった。

ジャズ誌 Jaz.in 017号 CD評から転載

80代半ばになりながらも、厳しく鍛えた腹筋と声帯、進駐軍将校達に指導を受けた少女が得たネイティブの発音はカントリーミュージックのみならずジャズを歌うにも充分な素養だった。13曲はにわかに集めた曲ではない。ずっとトミさんが温めてきた彼女にとって大切な曲である。ほぼ同い年の渋谷毅さんにも導かれた極上のジャズデビューアルバムである。

Tomi Sings Jazz