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SANAE SINGS IN TOKYO 2026

コジマサナエvo

SANAE SINGS IN TOKYO 2026

コジマサナエvo 廣木光一g

2026.1.11 (日)
千歳烏山・TUBO/03 5313 8151

open 16:30, start 17:00
¥3,500 (要1order)
157-0062 東京都世田谷区南烏山6-8-7 楽多ビル2F

コジマサナエ代表作!”Unconditional Love

コジマサナエvo

コジマサナエvo 安ヵ川大樹b 廣木光一g
DNCD-04 ¥2500+税

1.Come Rain or Come Shine♪  Johnny Mercer / Harold Arlen
2.When I Fall In Love♪   Edward Heyman / Victor You
3.白い花♪  コジマサナエ
4.Overjoyed♪  Stevie Wonder
5 Nica’s Dream♪ Horace Silver / Weaver Copeland
6.突然の贈り物♪  大貫妙子
7.Ribbon In The Sky♪ Stevie Wonder
8.Blue Skies♪   Irving Berlin
9.Everything Happens To Me♪ Tom Adair / Matt Dennis.
10.救済♪  コジマサナエ
11.Loving You♪  Richard Rudolph / Minnie Riperton

12年前 (2014年) のCD “Unconditional Love” ライナーノーツから

コジマサナエさんのこと  廣木光一

 初めてサナエさんと会ったのは千葉県市川市にあったライブハウス”りぶる”で1997年の事だった。当時月例で行っていたワークショップは、首都圏のアマチュアミュージシャンや、地方公演時に声をかけた人達も来京の折りに参加、私のバンドメンバーや他のプロミュージシャンもサポートしてくれ、多くの人達の出会いと交流、腕試しのチャンスとなり、私自身にとっても大切な場所になっていた。そこにサナエさんが来てくれた。その時既にプロとして活躍していたとは言え、他所の町で見知らぬセッションに飛び込むのは容易いことではない。大勢の参加者の一人として緊張気味におとなしく順を待ち、やがてサナエさんの番が来た。
歌ったらおとなしくなかった。躍動、解放、叫び、祈り…様々な感覚に溢れる熱唱。そこにいたみんなが感性とパワーに圧倒された。そして裸足だった。
これをきっかけに彼女とライブで演奏するようになった。ソウル、ゴスペルをルーツにジャズ、日本の古い歌やポップスにも興味を示していたが、やはりオリジナルへの拘りは強かった。自分の言葉で自分のメロディを、自分のアドリブを織り込んでというスタイルを、きっとボーカルに転向する前からイメージしていたのだろう。

関東でのライブ活動を重ねるうちに、得られる物と得られない物の色分けがはっきりしてきた。機という事にも勘が働く彼女は2003年、迷わずNYに拠点を移した。神に祈りお告げを乞うだけではなく、地域の大事なコミュニティでもある教会。そこでシンプルな歌と大きなリズムを共有する、この日常が音楽のベースにあるアメリカ。日本では希薄だったそういう環境に身を置き、社会の繋がり、音楽の成り立ちを体感した。人間の感覚、思考と行動の連鎖が生み出すリズムというものの根っこを掴んだに違いない。

10年間のNY生活後は、生まれ故郷岡山に居を構え、休む間もなく新しい環境作りに邁進した。地元ミュージシャンとのセッションを頻繁に企画する。それは、居住地で、生活圏内で生まれ育まれる音楽の重要性とリアリティを知っているからだ。そこを基盤に近県、東京へも以前より積極的に向かう盤石な態勢が整った。そんななか会うべくしてベーシスト、プロデューサーの安ヵ川大樹氏に出会う。奇しくも同い年、意気投合し音楽と活動の場は一気に広がった。

サナエさんの周りには人が集まる。みんなサナエさんに相談する。サナエさんはいつもみんなの心配をしている。だからこの人はついつい自分の事が後回しになってしまうことがある。でもこの人柄だからそういうときは誰かが手助けしてくれる。彼女が中心となって岡山で立ち上げたワークショップには大勢のミュージシャンが参加する。そのジャンルが限定されないことも、音楽、人間づきあいの広さからだ。「よかったよ~!」「こんどこうゆんやってみたら」「あの子と合うんじゃねんかなぁ…?!」と声をかける。バンドメンバーへの連絡、会場探し、楽器の調達、周知ほか人の手を借りたいことが山ほどある手作りライブの準備作業にも日々奔走する。

もちろんステージで歌うときだけだが今も裸足である。アンテナの感度を最大に上げる。その先には地球の反対側や宇宙までもが視え何かを感受しているのだろうか。はたまたその場の質感を逃すまいとしているのか。床が真冬のコンクリートでも同じだ。横でギターを弾いていていつも思うのは、この人はバンドの上に乗っかって歌をうたうのではなく、メンバー全員とお客さんと共鳴することを望んでいるということ。理想の音楽を目指す道のりはこれからも続くが、たとえそれが遠回りでも彼女が選ぶ道に無駄なものは一本もない。そんなサナエさんの信条が本作タイトルにも表れている。(2014/8)